ダック・ベイカー(Duck Baker)プロフィール


 ステファン・グロスマンがエド・デンソンと共に1973年に設立した、キッキング・ミュール・レコードの看板アーティストのひとりとしてレコード・デビュー。キッキング・ミュールは、カントリー・ブルース、ラグタイム・ギター、コンテンポラリー・フィンガーピッキング、フラットピッキング…など、いろんなスタイルのアコースティック・ギター・サウンドにスポットを当てたレーベルとして、当時、世界中のギター・マニアを熱くさせたが、その中でダックは、新しい解釈のインプロヴィゼイションを取り入れたフィンガースタイル・ジャズ・ギター・スタイルで注目を浴びる。また、フィドル、バグパイプ、アイリッシュ・ハープの音楽をギターにアダプトするケルティック・フィンガースタイル・ギターの分野でも、その先駆者として多くの名アレンジを残している。

 キッキング・ミュール時代の名盤『The Art Of Fingerstyle Jazz Guitar』、『Kid On The Mountain』、『Irish Reels, Jigs, Hornpipes & Airs』などは、現在シャナキー・レコードより別編集でCDとしてリイシューされている。シャナキーからは他にも『Opening The Eyes Of Love』と、ステファン・グロスマンとのブルース・デュエット・アルバム『Northern Skies, Southern Blues』をリリースしており、後者はTABギタースクール・レーベルより国内発売されている。また、ピーター・フィンガーが主宰するドイツのアコースティック・ミュージック・レコードからは、『A Thousand Words』、『The Clear Blue Sky』、『Ms. Right』、ジョン・ゾーン・プロデュースのAVANTレーベルからは、ハービー・ニコルズに捧げた『Spinning Song』…など、話題作を多数リリースしている。最新作は、2000年にTABレーベルよりリリースされた、アイリッシュ・ソロ・ギター・アルバム『マイ・ハート・ビロングズ・トゥ・ジェニー』。

 多くのギター・ファンに支持を受けているダックは、教則ビデオも多数発表しており、その中で国内発売されているものには、『フィンガースタイル・ジャズ・ギター』(Vol. 1〜3)、『フィンガースタイル・ギター・トレーニング』(以上、リットーミュージック)、『フィンガースタイルで弾くセロニアス・モンク』(TABギタースクール・レーベル)がある。TABレーベルからは、98年3月にダックをフィーチャーしたオムニバスのパフォーマンス・ビデオ『ケルティック・フィンガースタイル・ギター』(Vol. 1 & 2)を発売。1998年4月、TABギタースクール・プレゼンツ『フィンガーピッキング・スペシャル・コンサートVol.1』のため初来日し、その後、パット・ドノヒューやジョン・レンボーンとのコンビでも来日し、日本の多くファンを魅了した。


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